若き竹内力の清々しいほど徹底的に酷い大根演技と、よく意図のわからない唐突でちょこまかとした忙しないモノクロームへの画面転換のわざとらしさがやたらと鼻についた。
原作のクールでシャープ、ソリッドな文体の片岡義男イズムの良さを根本的にスポイルしているどうしようもなくダサい映像化だと個人的には思うのだけれど。
ただ、とにかく原田貴和子の、竹内力同様セリフ棒読み大根役者丸出しな演技をカバーしてあまりある大胆に披露した美しく瑞々しい裸体が全てではないか。
更に、冒頭で巨大なダブサンをサイドスタンドを支点にして方向転換する一連の動作が素晴らしかった。それだけが救いの映画。
ていうか、わたしには大林宣彦作品の良さってものが実はさっぱりなんだよなぁ。