広島へと向かう高速バスの往復で読んだ。
はっきりと車名は出てこないものの、見る人が見れば明らかにエストレヤとわかるカワサキの250ccのネオレトロな車体の描写。これを初老の作家が元気に駆って走る描写が素晴らしい。
ついこの間実際に自分が走った芦ノ湖スカイラインや箱根ターンパイクをこのエストレヤとSRが駆け抜けるくだりではやはりバイク乗りとして熱くなるね。ワクワクする。
作者のいいたいことを、過激に主人公である老作家に語らせるやりかたはこの作者のいつものスタイルだと思うが、ライダーであれば誰もが頷けるもっともな話であるので実に気持ちがいい。
良いものは古くなっても、やはり良いのだ。
2019/10/23