せっかくの休みの日に朝から雨が降っていると恨めしい。
昨日までは寒いとはいえ、晴れていたのでとりわけね。
雨でも走れないってことはないし、今までもレインコンディションで走っていたことは何度もあるのだけれど。やはりツーリングの途中で雨に出くわすのと違い、スタートから雨降りだと流石にテンションが下がるのだ。
雨は恨めしい。
そんなわけで、今日は片岡義男氏のバイク三部作のひとつ、『幸せは白いTシャツ』を再読。
主人公は二十歳の女の子。〜なのです、という独特の口調が特徴的。
短大卒業後の二年間を日本中をバイクで巡る旅をするというシチュエーションもバイク乗りとして熱くなるが、マシンを扱う一つ一つの動作、ルーチンワークの所作の描写を丁寧に描くその文章、例えばドライビンググローブを脱ぐ、あるいははめるというような地味な所作のシーンもこの作品、この作者の大きな魅力の一つだろう。
雨の中をずぶ濡れになって走るようすなんかは、やはりバイク乗りにしか描けない情景だと思うのだ。
SMSなどで、多くの人がこの作品を「バイクに乗るきっかけ」「二輪教習で躓いたときに読み返して力づけられた」などと書いていて実にシンパシーを感じた。
時が流れても決して古臭くならないものがあるのだ、ということを改めて考えさせられる。
バイクはいいね。
2020/01/23